原因の切り分け(診断エンジンの配点公開)

AI検索に引用されない原因
——確認可能な条件から切り分ける

競合は出るのに、自社だけ出ない。その原因を「AIが読めない・理解できない・信頼できない」の3階層に切り分けます。当サイト自身が72点だったときの実測つき。

公開日: /最終更新:
著者: 山本涼司(LLMO診断ラボ運営者)

ChatGPTに自社の商品分野を聞いてみたら、回答の根拠に競合のサイトが並んでいた。GoogleのAI Overviewにも、業界メディアと競合は出てくる。自社のサイトだけが、出てこない——。

上司に「AI検索対応はどうなってる」と聞かれる前に、まず自分が知りたいはずです。なぜうちは引用されないのか。

最初に、この記事が言えることの範囲を正直に書きます。ChatGPT・Perplexity・Google AI OverviewがどのサイトをAIの回答の根拠に選ぶかのアルゴリズムは公開されておらず、「これをやれば引用される」と言える人は存在しません(もし保証する業者がいたら、その根拠を尋ねてください)。ただし、引用される前提となる条件——AIがサイトを読めるか・理解できるか・信頼する材料があるか——は、外側から確認できます。原因の切り分けとは、この確認可能な条件の欠落をひとつずつ潰すことです。当ラボの診断エンジンはこの条件を5カテゴリ31項目で機械判定しており、この記事ではその配点と、当サイト自身が72点だったときに実際に欠けていた項目を公開します。

引用されない原因は、3つの階層に分かれる

「引用されない」という結果は同じでも、原因の階層はまったく違います。上から順に確認します。

階層1: そもそもAIがサイトを読めていない。AI検索の回答は、AI事業者のクローラーがサイトを取得できることが出発点です。robots.txtでGPTBotやClaudeBotのようなAIクローラーをブロックしていれば、その時点で土俵にいません(過去にセキュリティ目的で一括ブロックした設定が残っているケースがあります)。sitemap.xmlがなければページの存在自体が伝わりにくく、応答が極端に遅い・HTTPSでない、といった技術基盤の問題も取得の障害になります。当ラボのエンジンでは「AIクローラー受け入れ態勢」20点と「技術基盤」15点がこの階層です。

階層2: 読めているが、内容を機械的に理解できない。人間には読みやすいページでも、構造化されていなければAIには「何のページで、誰が何を主張しているのか」が曖昧です。schema.orgのJSON-LD(Organization・Article・FAQPage等)がゼロのサイトは、ページの意味の機械的な手がかりを渡せていません。見出し階層が飛んでいる(h2の次にh4)、結論が本文の最後にしか書かれていない、比較や手順が長文の中に埋まっている——といったコンテンツ構造の問題も、AIが答えを抽出・引用する障害になります。エンジンでは「構造化データ」20点と「コンテンツ構造」25点がこの階層です。

階層3: 理解できているが、信頼する材料がない。誰が書いたのか(著者)、誰が運営しているのか(運営者情報・連絡手段)、いつの情報なのか(日付)、根拠は何か(出典)。この信頼性シグナル(E-E-A-T)が欠けたページは、内容が正しくても「根拠として提示する」判断の材料を欠きます。エンジンでは20点をこの階層に置いています。

原因調査の順番は、必ず階層1→2→3です。読まれていないサイトの構造化データを整えても意味がなく、理解されていないサイトの著者情報を足しても効きません。

当サイト自身が72点だったとき、何が欠けていたか

この切り分けを、当サイトの実測で具体化します。2026年7月13日、このサイトの公開初日の朝、自前の診断エンジンで自分自身を採点したところ72点・ランクBでした(測定条件の詳細は公開実験の記録に明記しています)。AI検索対応を診断するサービス自身が、です。そのときのカテゴリ別スコアがこれです。

72点時のカテゴリ別スコア(2026-07-13・当サイトの実測)

AIクローラー受け入れ態勢14.5 /20llms.txt未設置・sitemap.xmlなし(robots.txtにSitemap行もなし)
構造化データ5.5 /20JSON-LDゼロ。最大の欠落
コンテンツ構造22 /25見出し階層の飛び(h2の次にh4)等
信頼性シグナル(E-E-A-T)16 /20著者・運営者・日付はあったが、出典リンクと問い合わせ導線が弱い
技術基盤14 /15canonical未指定

つまり当サイトの場合、階層1に中程度の欠落(llms.txt・sitemap)、階層2に最大の欠落(JSON-LDゼロ)がありました。LP制作を優先して技術的な整備を後回しにしたまま公開した、それだけの理由です。同日中にllms.txt・sitemap.xml・JSON-LDの設置と退行修正を行い、97点・ランクSまで戻しています。何をどの順で実装したかのコードつきの全記録は、公開実験の記録(72点→97点の全手順)として公開しています。

ここで大事な注意をひとつ。スコアが97点になったことと、AI検索に引用されることは、別の話です。スコアは「引用されるための前提条件が確認可能な形で整っているか」の指標であり、その後実際に引用されたかどうかの追跡実測は、公開実験の続編として別途報告する予定です。効果の先取りはしません。

今日、自分で確認できるチェックリスト——7項目

上の3階層を、外部ツールなしか、無料の公式ツールだけで今日確認できる順に並べたものです。自分で確認できる方は、このまま使ってください。囲い込むつもりはありません。

  1. robots.txtでAIクローラーをブロックしていないか(階層1)。自社サイトの /robots.txt を開き、GPTBot・ClaudeBot・PerplexityBot等をDisallowしている行がないか確認します。過去のセキュリティ目的の一括ブロック設定が残っている、というのがよくある例です。
  2. sitemap.xmlがあり、robots.txtから宣言されているか(階層1)。/sitemap.xml を開いて存在を確認し、robots.txtに Sitemap: 行があるかを見ます。
  3. llms.txtを置いているか(階層1)。サイト直下の /llms.txt にAI向けのサイト案内を置く比較的新しい慣行です(仕様は llmstxt.org)。なくても致命傷ではありませんが、数時間で設置できて、サイトの要約を自己申告できます。
  4. JSON-LD構造化データが入っているか(階層2)。ページのHTMLソースで application/ld+json を検索します。ゼロなら、当サイトの実測で最大の欠落だった項目と同じ状態です。Organization(運営者)とArticle(記事)から始めます。
  5. 結論と要点が抽出できる構造か(階層2)。記事の結論が冒頭にあるか。比較・手順が箇条書きや表になっているか。見出し階層(h1→h2→h3)が飛んでいないか。AIは構造化された情報を抽出・引用しやすくなります。
  6. 著者・運営者・日付・連絡手段が明示されているか(階層3)。記事に著者名と公開日・更新日があるか。サイトに運営者情報ページと連絡手段があるか。匿名・日付なしのページは信頼の判断材料を渡せません。
  7. 主張に出典がついているか(階層3)。数字や事実の主張に、出典へのリンクまたは発行元の明記があるか。出典のない断定が並ぶページは、AIにとっても人にとっても根拠に使いにくいページです。

確認の結果を、数字で確かめたいときは

この7項目で欠落が見つかったなら、それが原因調査の出発点です。自分で直せる方は、公開実験の記録に実装コードをそのまま載せているので、あわせて使ってください。

ただ、31項目を目視でひとつずつ確認するのは手間ですし、「整えたつもり」と「機械が判定して整っている」の間には距離があります。当サイトも、診断する側でありながら72点でした——測るまで、自分の欠落は見えていなかったのです。

当ラボでは、この記事と同じ診断エンジン(5カテゴリ31項目・100点満点)による無料の簡易診断を行っています。URLを送るだけで、あなたのサイトの採点と改善ポイントTOP3を24時間以内にメールでお返しします。営業電話はかけません。引用の保証は、どんな対策にもできません。できるのは、確認可能な条件のどこに欠落があるかを、点数という切り分けの道具にしてお返しすることです。

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出典

  • llms.txtの仕様: https://llmstxt.org
  • スコアと欠落項目の実測データ: 当ラボ診断エンジンによる自サイトの実測(2026-07-13・公開実験の記録で全手順を公開)

本記事の診断カテゴリと配点は、当ラボ診断エンジンの実装をそのまま記載したものです。AI検索に引用されるかどうかは各AI事業者のアルゴリズムに依存し、本記事のいかなる施策もそれを保証するものではありません。

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山本 涼司(LLMO診断ラボ)

自身のWebメディア運営でAI検索による流入構造の変化を実測し、その調査手法を診断サービスとして提供しています。この記事のスコアはすべて自サイトの実測値です。運営者情報はこちら