公開実験の記録 No.1

AI検索対応を「診断する側」のサイトが、72点だった。
——公開初日に97点へ改善した全記録

公開日: /最終更新:
著者: 山本涼司(LLMO診断ラボ運営者)

結論から書きます。2026年7月13日、このサイト(llmo-shindan.jp)の公開初日の朝、自前の診断エンジンで自分自身を採点したところ、72点・ランクBでした。AI検索対応を診断するサービス自身が、です。そこから改善を実装し、公開初日の午前中のうちに97点・ランクSまで持っていきました。この記事は、その公開初日に「何を・どの順で・どう実装したか」を、コードも失敗もそのまま公開する記録です。読み終えたとき、同じ手順をあなたのサイトに適用できる状態になることを目指して書いています。

2026年7月13日(公開初日)の実測推移 — 同一エンジンで3回採点

1回目(朝・公開直後)72 /100・B改善前のベースライン。llms.txt・sitemap・JSON-LDなし
2回目(改善実装後)86 /100・A+14点。ただしE-E-A-Tが16→12に退行(本文で詳述)
3回目(退行修正後)97 /100・S日付明示・出典リンク・問い合わせ導線を復旧して最終形
測定条件について正直に書いておきます。朝の1回目(72点)は、カスタムドメイン接続作業の直前だったため、同一内容を配信しているCloudflare Pagesの既定ドメインで実測しました。2回目以降は https://llmo-shindan.jp で実測しています。配信しているHTMLは同一です。また、当然ながら「あえて低い状態を作ってから直した」のではありません。LP制作を優先し、技術的な整備を後回しにしたまま公開した結果が72点でした。

前提: この診断は何を測っているか

採点しているのは当ラボの診断エンジンです。ChatGPT・Perplexity・Google AI OverviewなどのAI検索がサイトを参照するときに見る要素を、5カテゴリ・31項目に分けてHTMLとHTTPレスポンスから機械的に判定します。人の主観採点は入っていないため、同じ状態のサイトには誰が実行しても同じ判定が出ます(応答速度など一部の項目は、その時々の実測値に依存します)。

カテゴリ内容の例配点
AIクローラー受け入れ態勢GPTBot・ClaudeBot等の許可、llms.txt、サイトマップ20
構造化データJSON-LD、Organization、FAQPage、Article 等20
コンテンツ構造見出し階層、Q&A形式、結論ファースト、セマンティックHTML25
信頼性シグナル(E-E-A-T)著者明示、運営者情報、日付、出典、連絡手段20
技術基盤HTTPS、応答速度、canonical、OGP、viewport、lang15

なお、AI検索対応(LLMO)が「順位」ではなく「AIの回答の根拠に選ばれること」を競うものであること、AI要約の表示がリンクのクリック率を大きく下げていることは、Pew Research Centerの2025年7月の調査Google検索セントラルの公式ドキュメントを参照してください。この記事では背景の説明は繰り返さず、実装の記録に集中します。

朝の実測: 72点・ランクB。何が足りなかったか

カテゴリスコア(改善前)
AIクローラー受け入れ態勢14.5 / 20
構造化データ5.5 / 20
コンテンツ構造22 / 25
信頼性シグナル(E-E-A-T)16 / 20
技術基盤14 / 15
総合72 / 100(ランクB)

診断レポートが自動生成した「最優先の改善ポイントTOP3」は次の通りでした。

  1. JSON-LD構造化データの設置 — schema.orgのJSON-LDがゼロ。AIがページの意味を機械的に理解できない
  2. XMLサイトマップ — sitemap.xmlが存在せず、robots.txtにSitemap行もない
  3. Organization / WebSite スキーマ — 「誰が運営しているサイトか」の構造化された明示がない

ほかにも、llms.txt未設置、main/articleタグなし、見出し階層の飛び(h2の次にh4)、canonical未指定といった減点が並びました。また、診断の31項目の外でも、存在しないURLに200を返すsoft-404状態が見つかったため、あわせて修正対象にしました。どれも特殊な問題ではなく、「作ったばかりのサイトが後回しにしがちな基礎」ばかりです。

実装した改善(実施順・コード付き)

ここからが本題です。実施した順に、実際に本番へ入れたコードを載せます(長いものは骨格を抜粋し、その旨を明記します)。すべて静的ファイルなので、CMSやフレームワークを問わず同じ考え方で適用できます。

手順1: llms.txt を設置する

llms.txtは「AIクローラー向けのサイト案内」をMarkdownで書いてサイト直下に置く、比較的新しい慣行です(仕様は llmstxt.org)。サイトの要約と主要ページを、AIが誤解しない形で自己申告できます。当サイトが公開初日に本番へ置いた実物の全文がこれです(最新版はいつでも llmo-shindan.jp/llms.txt で現物を確認できます。ページを増やすたびに追記していくため、この引用より行が増えていることがあります)。

# LLMO診断ラボ

> WebサイトのAI検索(ChatGPT・Perplexity・Google AI Overview)対応度を
> 31項目・100点満点で診断するサービス。無料簡易診断と、改善指示書つきの
> 有料本診断を提供。運営者: 山本涼司。自サイト自身の診断スコアと
> 改善推移を公開実験として毎月更新している。

## 主要ページ

- [トップページ・無料診断申込](https://llmo-shindan.jp/): サービス概要、診断項目(5カテゴリ31項目)、料金、このサイト自身の実測スコアの公開実験
- [運営者情報・特定商取引法に基づく表記](https://llmo-shindan.jp/tokushoho.html): 事業者情報と取引条件
- [プライバシーポリシー](https://llmo-shindan.jp/privacy.html): 個人情報の取り扱い

## サービス概要

- 無料簡易診断: トップページのLLMOスコア採点と改善ポイントTOP3を24時間以内にメールで送付
- 本診断レポート(148,000円税別): 主要10ページの個別診断、AI検索での引用状況調査(20クエリ)、競合比較、実装可能な改善指示書、90日ロードマップ
- 月次定点観測(98,000円/月税別): スコア推移と引用状況の毎月レポート

1点だけ注意があります。配信時のContent-Typeが text/plain になっているかを確認してください。サーバーによっては拡張子なしのファイルが別のMIMEタイプで返ることがあります。

手順2: sitemap.xml と robots.txt

sitemap.xmlを作り、robots.txtからその場所を宣言します。この2ファイルで「巡回してよい・ここに全ページの一覧がある」をクローラーに伝えます。

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<urlset xmlns="http://www.sitemaps.org/schemas/sitemap/0.9">
  <url>
    <loc>https://llmo-shindan.jp/</loc>
    <lastmod>2026-07-13</lastmod>
  </url>
  <!-- ページの数だけ url 要素を追加 -->
</urlset>
User-agent: *
Allow: /

Sitemap: https://llmo-shindan.jp/sitemap.xml

なお、GPTBot・ClaudeBot・PerplexityBot・Google-Extended などのAIクローラーを拒否していないかは先に確認してください。過去にコピペしたrobots.txtやWAF設定が、知らないうちにAIクローラーを弾いているケースがあります。

手順3: soft-404 を解消する(404.html)

改善前の当サイトは、存在しないURLにアクセスしても200(正常)を返していました。これはsoft-404と呼ばれる状態で、「このサイトのURLはどこまで実在するのか」をクローラーが判別できなくなります。Cloudflare Pagesの場合は、プロジェクト直下に 404.html を1枚置くだけで、存在しないURLに正しく404が返るようになります。本番に置いたファイルの骨格がこれです(見た目のCSSだけ省略した抜粋です)。

<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
<meta charset="UTF-8">
<meta name="viewport" content="width=device-width, initial-scale=1.0">
<title>ページが見つかりません|LLMO診断ラボ</title>
<meta name="robots" content="noindex">
</head>
<body>
<div>
  <h1>404 — ページが見つかりません</h1>
  <p>お探しのページは存在しないか、移動しました。</p>
  <a href="/">トップページへ戻る</a>
</div>
</body>
</html>

細部でひとつだけ: 404ページには <meta name="robots" content="noindex"> を入れて、エラーページ自体が検索やAIの索引に載らないようにしています。

手順4: JSON-LD構造化データ(最大の伸びしろだった)

改善前の構造化データは5.5/20で、全カテゴリ中もっとも失点していました。実装したのは Organization(運営主体)・WebSite・FAQPage の3スキーマをまとめた1ブロックです。骨格はこの形です。

<script type="application/ld+json">
{
  "@context": "https://schema.org",
  "@graph": [
    {
      "@type": "Organization",
      "@id": "https://llmo-shindan.jp/#org",
      "name": "LLMO診断ラボ",
      "url": "https://llmo-shindan.jp/",
      "email": "[email protected]",
      "founder": {"@type": "Person", "name": "山本涼司"}
    },
    {
      "@type": "WebSite",
      "name": "LLMO診断ラボ",
      "url": "https://llmo-shindan.jp/",
      "publisher": {"@id": "https://llmo-shindan.jp/#org"},
      "inLanguage": "ja"
    },
    {
      "@type": "FAQPage",
      "mainEntity": [
        {
          "@type": "Question",
          "name": "(ページ上に実際に掲載している質問)",
          "acceptedAnswer": {"@type": "Answer", "text": "(その回答)"}
        }
      ]
    }
  ]
}
</script>

FAQPageに入れる質問と回答は、ページ上に実際に表示している内容と一致させてください。表示していない内容をスキーマだけに書くのはスパム扱いのリスクがあります。この記事のページ自体には、記事として必要な Article と BreadcrumbList のスキーマを同じ要領で実装しています(ページのソースを表示すればそのまま見られます)。

手順5: HTMLの意味構造を直す

コード1行ずつの話なので、まとめて列挙します。

  • canonical: <link rel="canonical" href="正規URL"> を追加。重複コンテンツ評価を防ぐ
  • 著者情報: <meta name="author" content="山本涼司"> と本文中の運営者セクション
  • main / article タグ: 本文を <main> で囲み、「どこが本文か」を機械的に判別可能にする
  • 見出し階層: h2の次にh4が来ていた箇所を修正。AIは見出し構造をページの論理構造として読む

2回目の診断: 86点。しかしE-E-A-Tが16→12に退行していた

ここまでを実装して再診断した結果は86点・ランクA。総合では+14点ですが、レポートをよく見ると、信頼性シグナル(E-E-A-T)が16点から12点に下がっていました。改善作業をしたのに、です。

何が起きたか。構造化データやセマンティクスの実装でページを組み替えるうちに、①目に見える形での日付の明示が消え、②主張の出典となる外部リンクが不足し、③問い合わせ導線がページから漏れていました。1つ1つは小さな欠落ですが、E-E-A-Tカテゴリの判定項目そのものでした。「良かれと思った改善が、別の項目を退行させる」——これは実際に起きます。

修正は3点です。日付は <time datetime="2026-07-13"> 要素で本文に明示し直し、統計的な主張には出典リンク(前掲のPew Research Center等)を張り、フッターに問い合わせ先(メールアドレス)を復旧しました。

この日いちばんの教訓: 実装したら、必ず再診断する。変更のたびに測り直していなければ、当サイトは「E-E-A-Tを4点落としたまま」公開を続けていました。改善は差分ではなく総体で確認する必要があります。有料診断の改善指示書にも、この「実装→再診断」のループを標準手順として組み込んでいます。

同日の最終実測: 97点・ランクS(公開初日の午前中に72→97)

カテゴリ改善前 → 最終
AIクローラー受け入れ態勢14.5 → 20 / 20
構造化データ5.5 → 16.5 / 20
コンテンツ構造22 → 25 / 25
信頼性シグナル(E-E-A-T)16 → 20 / 20(一時12まで退行)
技術基盤14 → 15 / 15
総合72 → 97 / 100(ランクB → S)

残る減点も隠さず書いておきます。構造化データが16.5/20で満点でない理由は、トップページにArticle系スキーマとBreadcrumbListがないためです。トップページは記事ではないのでArticleは実装せず、パンくずは記事ページ(このページが第1号です)から順に整備していきます。97点は「終わり」ではなく、毎月13日にこのサイト自身を再診断し、推移をトップページの公開実験ブロックで更新し続けます。次回は2026年8月13日です。

この1日で学んだこと(3つ)

  1. 改善は、別の項目を退行させることがある。だから「実装→再診断」をワンセットにする。測り直さない改善は、改善したかどうか自体が分からない。
  2. +25点の中身は、ほぼ「基礎の未整備」の解消だった。llms.txt・sitemap.xml・404・JSON-LD・セマンティックHTML。特殊なテクニックは1つもない。逆に言えば、多くのサイトにこの伸びしろが残っている可能性がある(保証はできないので、測って確かめてください)。
  3. スコアは目的ではなく、条件整備の確認指標。97点になってもAI検索での引用は保証されない。保証できないからこそ、「引用されるための条件が整っているか」を確認可能な数字にして、推移ごと公開している。

よくある質問

同じ手順を実装すれば、どのサイトでも25点上がりますか?

上がり幅はサイトの現状次第です。当サイトはllms.txt・sitemap.xml・JSON-LDが未設置の状態から始めたため伸びしろが大きく出ました。すでに整備済みのサイトでは同じ幅にはなりません。効果の保証はできませんが、手順自体はこの記事の通りで、どなたでも再現できます。

スコアが高ければ、AI検索に引用されるようになりますか?

引用されるかどうかは各AI事業者のアルゴリズムに依存するため、保証はできません。このスコアは「引用されるための条件(クローラー受け入れ・構造化データ・信頼性シグナル等)が確認可能な形で整っているか」を測る指標です。効果を保証する業者には、むしろご注意ください。

自分のサイトでは、まず何から着手すべきですか?

当サイトの実測では、llms.txt・sitemap.xml・JSON-LD構造化データの3点だけで大きく回復しました。いずれも数時間で実装できます。ただし最適な優先順位はサイトの現状によって変わるため、まず現在地を測ることをおすすめします(下の無料診断でも、この記事と同じエンジン・同じ31項目で採点します)。

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山本 涼司(LLMO診断ラボ)

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